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(泣いてください、私のために。)
-- たとえひどく利己的な涙なのだとしても、君の感情が私を生かすのだから、それが尊いものであるのに変わりはない。だからこそ私は、見え透いた打算に辟易しても、慈しむような表情を浮かばせながら、君の濡れた頬をぬぐうのだ。 涙がただの水であるというなら、心を宿した人間でさえただの肉の塊。 そう言い切ってしまえる君に対して、私の生はなんと物悲しい。断ち切りたい、断ち切ってしまいたいよこんなものは。小指と小指とをつなげる赤い糸など幻想に過ぎないのだから。 --
こびるような、縋るような、楽しむような、悲しむような、嘲るような、怒るような、戸惑うような、蔑むような、愛しむような、君の視線の何もかも。 それらを晒されると、私は恍惚とした優越感を抱く。何故なら君が心に乗せた色は全て私へ向かっているから。 この瞬間だけは世界の全てが私のものだから。
-- 「朽ちる愛ならいらない、一瞬の恋をちょうだい。あなたには私をあげるから」 焦がれるたびに思い返す君の言葉を真似てみても、君が何を思っていたのかわからない。 「私ならこう言うのにな、ただ、好きですって」 そして、今日の月はきれいだといいね、と。いつまでも二人で月明かりを歩けるといいね、と。 --
私の世界を君として、君の終わりを世界の終焉とする。
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